あだち充 傑作。 【最高傑作はタッチにあらず】あだち充漫画おすすめランキングベスト7

【こんな切なすぎる漫画ある?】H2の感想。ネタバレなしとネタバレあり【あだち充の傑作】

あだち充 傑作

マンガ大好き、じょにすけです。 今回は、ファンの間で あだち充先生の最高傑作!と、呼び声が高い水泳漫画 「ラフ」をご紹介します。 僕も「ラフ」は 超おすすめな漫画の1つです。 もしかしたらあなたも、「ラフ」のことを知り合いからおすすめされたり、、「ラフが面白い」という評判をSNSなどで見かけたことがあるかもしれません。 でも、ずいぶん古い漫画だし、今読んでほんとにおもしろいのかなぁ。 とか、 どんなストーリー、どんな内容なんだろー?とか、いろいろ気になることってありますよね。 ということで、これから「ラフ」の ストーリーの簡単な紹介と、 おすすめポイント、見どころを語っていきたいと思います。 実際、漫画仲間と話をしていても「ラフ読んだけど、面白くなかったわー。 」なんていう声を聞いたことはありません。 というか、だいたい盛り上がります。 笑 タイトルは「ラフ」と、なんともゆる〜い感じなんですけど、タイトルに騙されないでください。 もちろん、あだち充作品らしい独特の間やユーモア満載で、いい感じのラフさはあるんですが、 なにより熱いです! そんな「ラフ」の魅力を語りまくります。 どうぞご覧ください。 「ラフ」基本情報 著者 あだち充 出版社 小学館 掲載雑誌 週刊少年サンデー 巻数• 単行本12巻• ワイド版6巻• 文庫版7巻 1987年〜1989年まで『週刊少年サンデー』で連載。 あだち充作品と言えば「高校野球」のイメージが強いと思いますが、「ラフ」は 水泳を題材にした 熱血ラブコメ漫画です。 2006年には実写映画化もされ、根強い人気のあるあだち充先生の隠れた名作です。 1-1. ファンの評価はあだち充の最高傑作!? 冒頭でも触れましたが、ファンの間ではあだち充作品の最高傑作に「ラフ」を推す人も少なくありません。 その中でもラフは本当に素晴らしい作品だと思う。 本気で大和みたいな青春を歩みたかった。 亜美ちゃんみたいな女の子と恋がしたかった。 タッチは好きだけど、別格っつーか。 — 真琴 makoto0509 あだち充のラフがとてつもなく最高だったことを報告します。 笑 僕も何回読み返したかわかりません。 1-2. 主要キャラクターをご紹介 多くのファンを魅了する「ラフ」なので、当然、登場するキャラクターたちも魅力的です。 まずは、簡単にサラッとご紹介しますね。 大和 圭介(やまと けいすけ) 「ラフ」ワイド版1巻より 物語の主人公で、栄泉高校水泳部の競泳選手です。 中学時代に、100m自由形で3年連続全国3位という成績を残しています。 本人いわく、 負けたくやしさをバネにするとか、自分の力を120%ひきだすとか。 そういう気力、執念、根性みたいなものがたらねえんだよ。 昔から。 「ラフ」ワイド版3巻より という性格で、物語の序盤では、自由形で1位を目指すことを諦め、平泳ぎに転向しようとしています。 ちなみに実家は和菓子屋です。 二宮 亜美(にのみや あみ) 「ラフ」ワイド版3巻より めちゃめちゃかわいくないですか?笑 物語のヒロイン。 圭介とおなじ栄泉高校水泳部に所属で、高飛び込みをしています。 実家も、圭介とおなじく和菓子屋で、両家の和菓子屋「やまと」と和菓子屋「にのみや」はライバル関係にあります。 仲西 弘樹(なかにし ひろき)さん 「ラフ」ワイド版3巻より 自由形の100m、200mの日本記録を持つ大学生。 日本水泳界 期待の星で、 圭介の憧れの存在です。 また、 亜美とは幼なじみの間柄で、亜美からは「お兄ちゃん」と慕われています。 優しくて、スポーツマンでカッコいい完璧なお兄ちゃんです。 … 「ラフ」の大まかなあらすじは、 圭介と仲西さんによって、水泳日本一とヒロインの亜美をめぐる戦いが繰り広げられる熱血ラブストーリーです。 そこに、 圭介とおなじ高校、おなじ寮で生活を共にする4人の仲間達の物語が加わります。 関 和明(せき かずあき) 「ラフ」ワイド版1巻より 水泳部所属で圭介と同様、自由形の選手です。 女の子が大好きです。 もともとは空手をやっていて三段の腕前をもっていますが、「モテたい」という理由で、入学時はバスケ部に入部しました。 その後、亜美に恋して、水泳部に途中入部することになります。 同じ種目、亜美を争うライバルとして、 圭介に対して敵意ムキだしです。 北野 京太郎(きたの きょうたろう) 「ラフ」ワイド版1巻より 水泳部所属でバタフライの選手。 体がでかくて顔も強面ですが、見た目とは違い、性格は温厚、成績優秀です。 部屋が一緒ということもあって、関とよく一緒にいます。 独特の空気感があって、 意外性のある 面白いやつです。 久米 勝(くめ まさる) 「ラフ」ワイド版1巻より 陸上部で砲丸投げをしている怪力の持ち主。 普段は、 ほんわかした性格で、出てくると 癒されます。 緒方 剛(おがた たけし) 「ラフ」ワイド版1巻より このシーンではちょっとわかりづらいかもしれませんが、 男気あふれる熱い男です。 野球部所属、プロ志望の強い強打の4番バッター。 中学時代はピッチャーとして活躍するも、肘の故障が原因でサードに転向しました。 ちなみに、亜美と同じ中学出身で、ずっと好意を抱いています。 … 以上が「ラフ」に登場する主要人物たちです。 このキャラクターたちによって、 喧嘩したり、仲直りしたり。 勝ったり、負けたり。 恋したり、恋い焦がれたり。 の、青春ラブストーリーが繰り広げられます。 これだけの説明だと 一見どこにでもある青春ラブストーリーです。 ただ、忘れてないですよね。 「ラフ」はあだち充の最高傑作に挙げられるほどの名作です。 一見どこにでもありそうな青春ラブストーリーに、 なぜ、多くの人が感動し、胸を熱くさせているのか? 次の章から、僕なりの解釈で、その謎を解明していきたいと思います。 相手に大事なことを気づかせるために、あえて突き放したり。 刺激し合って、お互いに成長していったり。 そういう友情って、いいですよね? 「ラフ」ワイド版4巻より 2-1. 男前すぎるぜ緒方くん 寮で一緒に暮らす5人は、みんないいヤツで、それぞれ男前なところがあるんですが、特に緒方は、「お前、どんだけ男前なんやて!」と叫びたくなる 胸熱エピソード満載です。 胸熱エピソードを1つ、ご紹介します。 あるとき久米は、緒方のことが好きなメガネ女子のために、緒方とメガネ女子を引き合わせようとします。 緒方は、その気がないので始めは拒んでいたんですが、久米の話を聞いているうちに、実は久米がメガネ女子のことを好きだということに気づきます。 緒方は立ち上がります。 「ラフ」ワイド版3巻より そして、、 「ラフ」ワイド版3巻より あえて、悪役を演じることで、久米自身の大事な想いを、本人に気づかせました。 まったく、どこまでも男前なヤツですね、緒方というヤツは。 緒方の男前エピソードはマジで熱いです。 「ラフ」を読むときは、ぜひ、 緒方の男前っぷりに注目してみてください。 2-2. 普段は好き勝手。 いざ!ってときに結束 同じ寮に暮らす5人。 もともと、出身中学も別で仲良しだったわけではありません。 「ラフ」ワイド版1巻より 出身も性格も違い、それぞれがそれぞれの目的のために好き勝手生活しています。 でも、みんないいヤツなんですよね。 いざ!ってときは、がっつり意気を合わせて立ち上がります。 … これは、学校の番長を自称する先輩が不良グループに絡まれたときの話です。 相手は、毎日ケンカに明け暮れている空手道場の不良たちで、どう考えても先輩に勝ち目はありませんでした。 ただ、番長、先輩という立場上、後輩の圭介たちに素直に助けを求めることもできません。 そこで5人が取った行動は、、 「ラフ」ワイド版2巻より 先輩を立てつつ、自分達が戦いに向かうことでした。 その結果、、 「ラフ」ワイド版2巻より みんな、ひどい顔になってるんですけど、、 この男気と結束感、しびれます。 あとは、、 「ラフ」ワイド版1巻より これは、入学当初、圭介の部屋から隣にある女子寮の風呂場がのぞける、ということを知った4人の結束です。 こういう変なテンションになったときの妙な結束感も、男ならではなんですかね。 笑 2-3. あいつには負けねぇ!高め合うライバル関係 5人の中で、圭介と関と緒方は、ヒロインの亜美を狙っているライバル関係にあります。 さらに、 圭介と関は、競泳で同じ種目を戦うライバルでもあります。 性格もあってか?正直、圭介は関に対してライバル意識を持ってない感じです。 が、 負けず嫌いな関は、圭介に対して、メラメラ闘志を燃やしています。 水泳部に入った当初はまったく泳げないカナヅチだった関ですが、 めきめき力をつけて、全国3位の実力をもつ圭介と張り合えるほどになります。 で、その関に基礎を叩き込みコーチしたのが、実は圭介です。 もともとは、水泳部の監督に指示され、はじめは嫌々コーチをしていた圭介でした。 でも、水泳初心者の関に、何度も何度も繰り返し基礎を教えるということは、圭介自身にとっても、初心を忘れて崩れていたフォームを確認、修正する絶好の機会になっていました。 結果、 圭介も、自分の限界を感じ、伸び悩んでいた選手としての殻を破り、自己ベストを更新していくことになります。 「ラフ」ワイド版1巻より それぞれがお互いに、いい影響を与え合って、高め合っていくライバル。 熱いです! 3. ラブストーリーも面白い! 今回の記事を書くにあたって、ちょっと振り返ってみたんですけど、僕は今まで、、恋愛っていう観点で漫画を読んでたことがほとんどなかったなぁ。 ということに気づきました。 主人公に感情移入して、ヒロインのことを好きになるわけでもなく。 かといって、2人の恋を応援するわけでもなく。 「タッチ」を読んでいたときも、たっちゃんと南の恋物語はどうなるんだ?っていう感じでドキドキしていた。 というより、和也の意志を継いだ達也が、夢を叶えるために成長していく姿や、チームが結束して1つ1つ勝ち進んでいく姿を観て、興奮していました。 漫画において、恋愛はサブストーリー。 という感じで漫画を観てることがほとんどでした。 ただ、、 「ラフ」は、ラブストーリーがずっと印象に残っています。 3-1. 最悪の始まり。 のち、感動のフィナーレ 主人公の大和 圭介と、ヒロインの二宮 亜美。 2人の実家は、それぞれ和菓子屋を営んでいて、激しく争い合っていました。 亜美の祖父がつくったヒット商品を、圭介の祖父が真似して改良を加えたことで、さらにヒット。 その結果、和菓子屋「にのみや」の商品は売れなくなって経営難になり、亜美の祖父は「やまと憎し」の言葉を残して死んでしまいました。 そんな背景もあって、特に二宮家は大和家を恨んでいます。 「ラフ」ワイド版1巻より 両家の仲は最悪。 作中でもネタになっていますが、まさに ロミオとジュリエット状態です。 そんな2人が徐々に惹かれ合っていきます。 と、やっぱり、 ストーリー自体はどこかで聞いたことある。 観たことあるようなラブストーリーですよね。 そして、結末もなんとなく想像できる。 それなのに、、 気づいたら、惹き込まれちゃってる。 ページをめくる手が止まらない。 それが、「ラフ」のラブストーリーです。 「ラフ」ワイド版2巻より 「ラフ」ワイド版5巻より 「ラフ」ワイド版6巻より ある程度、結末は予想がつくストーリーなのに面白い。 わかっていても、知らないうちに、ストーリーに惹き込まれてる。 このあたりの魅せ方、演出は、あだち充先生、本当に天才的だと思います。 あだち充作品の真骨頂!ならではの 醍醐味をどうぞお楽しみください。 3-2. 漫画史上最高の告白シーン 人に「ラフ」のどこが良かった?と聞かれて、僕が真っ先に思い浮かぶのは、告白シーンです。 必見です。 ネタバレになってしまいますが、告白シーンは2回あります。 まず、1回目の告白。 個人的に大好きな場面です。 物語が進んでいくと、2人の距離は徐々に縮まっていきます。 しかし、物語終盤、ある事故が原因で、あれ?この先、どうなるんだ?という展開になります。 そして、唐突に、圭介から亜美へ、 淡々と告白をします。 「ラフ」ワイド版6巻より 続きは、実際に読んでみてください。 恋したくなります。 ちなみに、ファンの間で評判が高いのは、クライマックス、2回目の告白です。 ここもやっぱり、実際に観てほしいので、詳しく説明しませんが、後悔はさせません。 最高のエンディングを迎えます。 ぜひ、実際に読んで、 感動と、読了後の晴天感を味わってください。 「ラフ」ワイド版6巻より 4. まとめ いかがだったでしょう?「ラフ」読んでみたくなりましたか?? この漫画は、 友情とラブストーリーが熱すぎる上に、最高のラストが待っている名作中の名作です。 読み終えた後の、スッキリ感、読んで良かった感は格別です! ぜひぜひ、あなたも読んでみてくださいね。 そして、「ラフ」の話で一緒に盛り上がりましょう。 紙版の新品/中古からお選びいただけます。 否、一般大衆の中では憧れの存在的な登場人物らが紡ぐ青春ラブコメ漫画ですね。 勿論、嫌いではなくこういった平凡な幸せに心から憧れを抱いています。 けれども、少々ノリが軽い。 スポーツモノと言うよりもそれを背景としたに過ぎない恋愛モノ といった印象ですよね。 本当に全国レベルで勝とうと思えば、恋愛にうつつを抜かしている暇はあまりないでしょう。 そもそも、そんな両方共に恵まれた環境自体がめったとないでしょう。 そこが漫画ならではであり、物足りなさを感じる理由でしょうか。 スポーツモノも良いですけれども、出来れば進学校モノなんかもお願いしたい。 そもそも、 男女に分かれて異性はいませんけれど。 球児や選手ではなく、甲子園やら連盟を率いるような面々は恐らくはその殆どがそういった 後者側の経験の持ち主ではないだろうか? 2020年の東京オリンピックを前に、スポーツが注目されるも、YAWARA!の主人公の 祖父役のモデルとされる、嘉納治五郎なる実在した人物(2019年NHK大河ドラマ「いだ てん」でもその役柄が登場します。 )が、64年の東京オリンピック招致活動や講道館柔道の 創立に尽力してスポーツの父・柔道の父と呼ばれ、更には全国一の進学校を創立したという事 実があります。 勿論、男子校です。 拝 コメントがアホすぎてワロタw 意味不明な感想はスルーして、 あだち作品はファンなら知っての通り、基本的には学生生活・部活動を舞台にした青春王道ラブコメです。 作品が変わっても基本的な軸は変わりません、ある意味マンネリな内容の作品ばかりなのですが、それでも長年多くのファンを惹きつける魅力があだち充作品にはあります。 その中でラフはあだち作品の中でも余計な遊びがない非常にまとまった作品だという印象があります。 最初から最後まで飽きることなく読めて、脇役キャラに魅力があり、話の後味もスッキリ、巻数も多すぎず少なすぎず、ダラダラ長くなることもなく終わった後にもうちょっと読みたいなぁとほのかに思えるちょうど良さ、そんなところがファンの中で最高傑作と言われる所以だと思います。 秋の夜長にぴったりの作品なので、まだ読んだことがない方はぜひ読んでみて下さい、オススメですよ。 20年ぶりくらいにアニメを見始めて 生まれて初めて「ナイン」を見ました。 いやあ、あだち充さんの恋愛物語は最高ですね。 そして読みやすい。 女の職場で働いてると、女の大半はクズ さらに、非モテの私としは 「女の相手こそが時間とお金の浪費」 「クズ女を動かしてくれる、イケメンこそ最高!」 って常々思ってますが、 あだち充さんの作品を見てると 自分もこんな人生を歩みたかったと うらやましく思ったり、 昔の熱い想いが出てきたり と若い頃感じた血がたぎってきます。 でも、バイクの方が楽しいけどね。 もちろんビビリ安全運転ですよ。 あだち充さんは 恋愛物語なら私にとって最高の作品を作った人物です。 H2・スローステップ は途中で買うのをやめ 最後まで読んでません。 本をもってるのは みゆき・ラフ・虹色とうがらし それに加えて全巻読んだのは 陽あたり良好! だけですが、 実をいうと最高傑作と言われると 甲乙つけれないですが、 ラフが最高傑作という人がいらっしゃるのは 個人的に嬉しくなってきました。 しかし、考察が素晴らしいです。

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あだち充

あだち充 傑作

長かった下積み時代 1982年に第28回小学館漫画賞を受賞しており,あだち充の出世作であり最高傑作であると思っています。 もちろん,タッチで少年サンデーの看板作家となってから発表された「ラフ」,「H2」も同じような面白さをもった作品であることはまったく否定しません。 しかし,「タッチ」は10年間下積みを続けた作者が渾身の力で書き上げた勢いがあります。 わずか連載2年目で小学館漫画賞を受賞していることからこの作品の完成度の高さがうかがえます。 この頃は少年サンデーの黄金期で,うる星やつら(高橋留美子),六三四の剣(村上もとか),ただいま授業中!(岡崎つぐお),ふたり鷹(新谷かおる)など,現在でも私の書棚に並ぶ名作が目白押しでした。 その中で現在40代,50代になっている読者が「タッチ」の表現方法をちゃんと分かってくれたことがこの作品を名作にした原動力となりました。 タッチは野球マンガでありながら,野球はあくまでも舞台装置以上のものとはなっていません。 野球の技術についてはほとんど触れられていませんし,打者との駆け引きもありません。 あくまでも主役は人であり人間関係なのです。 このようなことから野球をあまり知らない女の子でも十分楽しめるものに仕上がっています。 このあたりも人気の秘密でしょう。 作者のあだち充は1970年に漫画家としてデビューしていますが,ヒット作に恵まれずおよそ10年の下積み時代を経験しています。 その頃の主な作品をあげてみると次のようになります。 ハートのA(1975年,週刊少女コミック,小学館,原作:才賀明)• がむしゃら(1976年,週刊少年サンデー,原作:やまさき十三)• 初恋甲子園(1976年,週刊少女コミック,原作:やまさき十三)• 泣き虫甲子園(1977年,週刊少女コミック,原作:やまさき十三)• ナイン(1978年-1980年,少年サンデー増刊,小学館)• 夕陽よ昇れ!! (1979年,週刊少女コミック,原作:やまさき十三• 陽あたり良好! (1980年-1981年,週刊少女コミック)• みゆき(1980年-1984年,少年ビッグコミック,小学館) この軌跡を見ると少年誌と少女誌の間を行き来したり,原作ものを手がけるなど,作者の苦闘の跡が透けて見えます。 同時に多くの作品が野球を扱っており,それらが「タッチ」の生まれる下地になっていることも分かります。 YOMIURI ONLINE 「本よみうり堂」の中で作者は『「ナイン」の1話目は熱血志向の少年誌を意識し重い雰囲気に。 が,さほど反響がない。 2話目で少女マンガで貯(た)めた技を使い,思い切り軽くさわやかにすると,大いに受けた。 結局、編集部のほうが頭が固かった。 少年誌に戻ってきたら,僕のマンガを分かってくれる読者が育っていて調子に乗れた』と語っています。 「タッチ」の中で随所に見られるあだち充独特のコミカルな表現,余韻を残す心理描写,日常のなにげないところから話を作る技は少女誌の中で培われたものなのでしょう。 しかし,ナインではまだ絵のタッチが少し劇画風で彼の持ち味の軽いウイットとかみ合っていなかったように感じられます。 あだち充の絵柄はワンパターンだとか,キャラクターの描き分けが出来ていないといった指摘がありますがそれほど気になるものではありません。 まあ,作者も他の作品では編集者などの名を借りてそのように言っていますし,デフォルメの少ないすっきりとした絵で現実と近い感じで表現しようとすると,描き分けるのはけっこう大変なのではと推測します。 タッチはラブコメディか? 少年サンデーという当時のメジャーの舞台で発表された「タッチ」は,絵柄と表現力が「ナイン」に比べてもう一段洗練されており,ようやく作者本来の持ち味が完成したようです。 ストーリーは野球を縦軸,恋愛・人間関係を横軸に織りなす青春ものです。 「タッチ」は少年マガジンの「巨人の星」,「あしたのジョー」に代表される1970年代の熱血スポーツマンガとは一味も二味も異なっています。 また,人間関係においても1978年から同じ少年マガジンに掲載されて人気のあった「翔んだカップル」のシリアスな恋愛とも距離をおく作品となっています。 甲子園を目指す野球マンガでありながら,「タッチ」では熱血スポーツマンガのもつ重苦しい雰囲気が爽やかな軽妙さに昇華されています。 少年マンガのジャンルではラブコメディに分類されています。 しかし,それは半分当たっているものの半分は外れています。 その理由は,同じようにラブコメディに分類されており,1980年代前半の少年サンデー誌上で「タッチ」と人気を二分した「うる星やつら(高橋留美子)」と対比するとよく分かると思います。 「うる星やつら」は異星人のラムと地球人の諸星あたるの恋愛関係に対して奇想天外なキャラクターが絡んでくるコメディに仕上がっています。 まさしく,SF仕立てのラブ・コメディということができます。 それに対して「タッチ」は高校野球という舞台における様ような人間関係をていねいに描いており,恋愛関係はその一つととらえられます。 私はしっとりとした上質の笑いをもった野球・青春マンガと位置づけています。 衝撃的な和也の死 物語は明青学園中等部3年に在籍する上杉達也・和也の一卵性双生児と上杉家のおとなりさんの朝倉南を中心に展開していきます。 三人は同い年で幼なじみとして育ってきました。 しかし,中学生になると三人の中で微妙な人間関係が生まれてきます。 和也は南の小さい頃からの夢である甲子園で母校の応援をする夢をかなえるために野球に打ち込んでおり,明青学園高等部から熱望されている存在となっています。 それに対してそのような努力をしてこなかった達也は南との関係において精神的に一歩退いている状態です。 達也と和也はとても仲の良い兄弟として描かれており,南もそのような三人の微妙な関係を壊さないように配慮しています。 高等部に進学し和也は野球部に入り,投手として周囲の期待にたがわない活躍を見せます。 一方,達也は野球部に入りたい気持ちはあったのですが,南がマネジャーになるということで,入部を断念します。 達也の友人の原田は三人の関係を洞察し,達也が将来,和也とたたかうことになることを見通して彼をボクシング部に入部させます。 闘争心の少ない達也はどうしても殴りあいにおいて遠慮することになり,少なくともボクサーとしては大成する状況にありません。 物語が劇的な変化を迎えるのは単行本の第7巻です。 夏の地区予選の決勝戦に出かける途中,子どもを助けようと和也が交通事故死してしまいます。 作品名の「タッチ」は双子の弟から兄へのバトンタッチの意味が込められていることから,和也の死は作者にとっては連載が始まったときから想定されていたようです。 当然,編集部には抗議の電話が多数寄せられて対応に往生したと当時の編集者は語っています。 和也の死に接した達也と南は人前では涙を見せませんが,達也は部屋でステレオの音量を最大にして,南は鉄橋の下の騒音の中で慟哭します。 このような場面でも二人の声は聞こえず,背景の音だけが二人の悲しみの大きさを物語っています。 私の読んだ少年誌の範囲ではこのような間接的な方法で感情や考えを表現する高等な手法は「タッチ」が初めてだったと思います。 また,それに続くお葬式の場面では2ページにわたってネームのまったくないコマが続きます。 このようにネームの無いこまを多用し,そこに描かれている場面を通して読者に物語の展開を想像させる手法も随所に見られます。 このような高い次元の表現方法が多用されているので,当時の子どもたちが大人になってから読み直しても十分におもしろく,かつ,子どもの頃には分からなかった表現の妙が伝わってくると思います。 小さな話を作るのがとても上手です 和也の死をきっかけに達也やボクシングブ部から野球部に金銭トレードされます。 ボクシングブ部のキャプテンも達也の性格がボクシングに向かいないことは重々承知しています。 このトレードの対価が「うる星やつら」の色紙であったことは笑えます。 こうして野球部に入った達也ですが生来の飽きっぽい性格は簡単には直りません。 和也の球を受けることを生きがいとしてきた捕手の松平も達也を投手としては認めない態度をとります。 南が和也のために作った地区予選初勝利のお祝いの花束をめぐって松平と達也は殴りあいになります。 ロッカールームでボクシング部仕込のパンチを受けた松平に対して,事情を知った達也はさらに挑発するふりをしてきつい一発をもらいます。 また,松平が排水升に落ちた500円玉を雨の中で拾おうとしてカゼを引いた時,無愛想な少年が肉まんを届けてくれ,その中には500円玉が入っていました。 そのような達也の思いやりは次第に松平のこころをほぐしていきます。 あだち充はこのような小さな話を作るのがとても上手であり,熱血抜きで人間関係を前進させる力としています。 この時期,野球部のマネジャーをしていた南にも転機が訪れます。 ケガをした新体操部のキャプテンの代わりに出場した初めての地区競技会で三位に入賞してしまいます。 さらに,都大会で準優勝となり,学校側の期待もあり,南は新体操部から離れるわけにいかなくなります。 勢南高校に敗れて二年生の夏が終わります 第二部は二年生に進級したところから開始されます。 達也はなんとか投手としてやっていけるだけの体力とコントロールを身に付けてきました。 当然,勢南高校の西村,須見工業の新田という地区大会で甲子園を争うライバルが登場してきます。 西村は三枚目,新田は最大のライバルとして描かれています。 特に新田は練習試合で和也から1試合で3連続三振を喫しており,和也の死により再戦はかなわないと思っていたところに達也が現れ,再び野球に対する情熱を燃やすことになります。 同時に彼らは南に想いを寄せており,野球を離れても人間関係の小話のネタを提供してくれます。 夏の地区大会では勢南高校に敗れて終わります。 この試合の夜,達也は初めて悔しさを口にします。 地区大会を制したのは新田昭男の須見工業高校でした。 新田は甲子園でも大活躍し一躍,高校球界のスーパー・スターとなります。 一方,南はインターハイで4位に入り,高校新体操界の新しいアイドルとなります。 ニ年生も終わり近くなり,松平が新チームのキャプテンとなります。 西村と達也が南風でゲームをしているとき,新田のバイクで送ってもらった南が現れ,4人が顔をそろえることになります。 甲子園を目指す達也の最大のライバルとなる新田は紳士的にお礼のスパゲティを食べると帰ります。 しかし,三枚目の役柄となっている西村は達也の前で南を映画に誘います。 その夜,南は達也に困っている南を助けるような発言がなかったと責めます。 達也は「南とは距離が近すぎて,まだどのような関係なのかはっきりさせることができない」と告げます。 ネームの少ないこの作品の中では珍しく長々と達也の現在の気持ちが語られており,南もその回答に満足することになります。 甲子園を目指す最後の年が始まります 高校生最後の年が始まります。 新一年生に新田の妹の由加が入ってきて,しかも野球部のマネジャーになったので物語はさらに複雑になります。 高校野球のスターである兄を基準に男性を見ている由加は,南の彼氏で兄を本気にさせている達也に興味を抱いており,南に対しては強い敵対心をもっています。 春の選抜大会で須見工は再び準優勝に留まります。 ということは明青高校が甲子園に行くためには甲子園で優勝する力が必要ということになります。 それは4月時点の明星野球部の実力ではとても望めないことです。 そんなときに平凡を絵に描いたような西尾監督が(都合よく)体調を崩し,彼の推薦により代理監督として明青学園OBの柏葉英二郎が登場します。 実は西尾監督は柏葉英一郎を推薦したのですが手違いで弟の方になってしまいました。 できの良い兄とできの悪い弟という設定ですが,才能があるにもかかわらず明青野球部時代の弟は先輩に追い出されるという不遇をかこっています。 表の設定では明青野球部に深い恨みを抱いているということになっており,完全な悪役となります。 しごきともいえる過酷な練習が毎日続きます。 地獄の合宿では由加のとんでもない料理に胃が(口が)受け付けず南風に夜食を食べに行くエピソードも描かれています。 その中でレギュラー選手は一回りも二回りも成長し須見工業と渡り合える力をつけていきます。 一方,南は新体操の関東大会で南は個人総合優勝を飾ります。 このとき南のレオタードには達也の写真が貼り付けてあったというエピソードも笑えますね。 少年誌のスポーツ漫画のように勝負の場面を事細かに描いていく単純な手法ではなく,そこに人間関係をうかがわせる小さな,そしてほっとさせられる小話を挿入する「技」は一級品ですね。 こうして南は一足先にインターハイの出場を決めます。 明星学園は地区大会の決勝で須見工業と対戦します。 明青学園が1点リードの延長10回裏,ツーアウト2塁,バッターは新田という最高の場面を迎えます。 その前に4番の松平が敬遠されているので当然敬遠の場面です。 しかし,ベンチからは敬遠の指示はありませんし,松平は外野をバックさせます。 達也は「どうなっても知らないぞ」とうそぶきながら全力投球となります。 試合後,須見工業の監督が「甲子園なんてものはただの副賞だったんだよな。 その副賞に目がくらんで相手のスキをついたり,だましたり,勝負を逃げたり・・・,そんなことばかりエスカレートされたんじゃ教育者のはしくれとして心が痛い」とつぶやいていたのが印象的です。 人生においても勝負を逃げることは決して本人の成長にはつながりません。 自分のもてる力を出し切って敗れてもそこには悔いは残らないはずです。 眼を患っていた柏葉代理監督はインタビューもなしに病院に向かいます。 手術の日に明青野球部はロードワークの途中で病院の敷地内で代理監督にエールを送ります。 タッチはどこまでもさわやかな青春物語に徹しています。 甲子園の開会式をさぼった達也の励ましを受けて南はインターハイで優勝し,明青野球部は甲子園で優勝します。 しかし,甲子園での優勝は物語の付け足しにすぎません。 開会式を除き甲子園の場面は出てこず,最終ページに達也の部屋に飾られた優勝盾が出てくるだけです。 作品データ• 作 者 : あだち充(1951年生)• 著作時期 : 1981-1986年• 単行本数 : 全26巻• 発表雑誌 : 少年サンデー 作者の他の作品• ナイン(1978-1980年)• 陽あたり良好(1980-1981年)• みゆき(1980-1984年)• ラフ(1987-1989年)• 虹色とうがらし(1990-1992年)• H2(1992-1999年) 主要登場人物 上杉 達也(うえすぎ たつや) 本作品の主人公,飲み込みは早いが飽きっぽい性格であり,(本当はどうか分からないけれど)努力とは縁のない気楽な性格の持ち主である。 一卵性双生児で弟の和也となにかにつけて比較されている。 和也に遠慮している面があり,明青学園高等部ではボクシング部に入るが和也の交通事故死をきっかけに投手として野球部に転向する。 当初は練習嫌いの場面が描かれているが,しだいにハードなしごきにも耐えられるようになる。 上杉和也(うえすぎ かずや) 達也の弟,努力家で勉強と野球を両立させている。 明青学園中等部の時からエースとして活躍している。 南からは甲子園に出場する大きな期待をかけられている。 小さい頃から南を慕っており,南の期待を実現するため厳しいトレーニングを欠かさない。 高等部に進学し1年生エースとして夏の甲子園大会の予選に臨み,決勝戦で球場に向う途中に子どもを助けようととして交通事故で亡くなる。 朝倉 南(あさくら みなみ) 本作品のヒロイン,達也・和也のおとなりさんで同級生,母親を小さい頃に亡くしているが,勉学と母親役,家業の「南風」という喫茶店の手伝い両立させている。 小さい頃テレビで見た甲子園にあこがれ,甲子園のスタンドで応援することが夢となっている。 高等部では野球部のマネージャーであったが,ピンチヒッターという形で新体操の競技会に出場し,3位に入賞し高校新体操の期待の星となる。 原田 正平(はらだ しょうへい) 達也の同級生,腕力が強くケンカでは負けたことがない。 中等部時代には他校の生徒と揉め事を起こし,達也も巻き込まれたことがある。 無骨で強面な反面,冷静で鋭い洞察力を持っている。 達也,和也,南の微妙な関係を知っており,将来,南をめぐって弟と争う事態になることを想定し,高等部では達也を無理やりボクシングブに入れ闘争心をもたせようとする。 松平 孝太郎(まつだいら こうたろう) 明青学園中等部の頃は和也とバッテリーを組んでいた。 高等部に進んでからも正捕手をつとめる。 和也の球を受けることを生きがいとしており,和也の死により野球への情熱を失いかける。 達也とは中等部時代から折り合いが悪く,達也が野球部に入ってきてからも投手として認めない態度をとる。 しかし,達也のぶっきらぼうな態度に隠された優しさや投手としての成長により,しだいにエースとして認めるようになる。 3年生のときは4番でキャプテンを務める。 新田 昭男(にった あきお) 甲子園を目指す明青野球部にとって最大のライバルである須見工業高校の4番打者であり,高校球界の逸材,達也とは同い年。 中学時代は不良グループに属しており,原田とはその頃からの知り合いである。 野球部の助っ人として1番打者として和也と対戦したが完全試合で敗れる。 和也との対決を目指して野球に打ち込み,高校1年の夏の甲子園予選決勝に進出したが,和也の事故死により再対決の機会は永遠に失われた。 達也にとっては南をめぐる恋のライバルでもある。 西村 勇(にしむら いさむ) 明青高校とは同じ予選地区に属する勢南高校のエースで4番打者,達也とは同い年。 変化の大きいカーブを武器に地区ナンバーワン投手と評されている。 新体操で南を知り,南風まで押しかけて積極的にアプローチする。 二年の夏予選では明青高校と対戦し,かろうじて勝利をものにする。 しかし,3年のときカーブの投げすぎで肘をいため,夏予選では無名高校に敗れる。 新田 由加(にった ゆか) 新田明男の二歳年下の妹,ポニーテールが似合う美少女,合気道の心得があるせいか気の強い性格である。 容姿端麗,成績優秀,高校野球のスターである兄を基準に男性を見ているので恋愛ができないでいる。 しかし,その兄がライバルとして認める達也に興味をもち,明青野球部のマネジャーになる。 野球に関しても鋭い観察眼をもっており,部員の長所・短所を的確にメモにしている。 南を恋敵として強いライバル心をもっている。 柏葉 英二郎(かしわば えいじろう) 明青野球部の一時代を築いた柏葉英一郎の3才年下の弟,病気療養中の西尾監督に代わり明青野球部の代理監督となる。 選手として明青野球部に籍を置いていた時,先輩たちから部を追われ,恨みを抱いている。 口ヒゲ,サングラスといったやくざまがいの服装で登場し,気に入らないことがあると竹刀をふるうひどい監督として描かれている。 しかし,野球に対する才能は確かなものがあり,かれのしごきといっていい過酷な練習により明青野球部員は一回りも二回りも成長する。 手術を要する眼の病気を抱えており,夏の甲子園予選決勝のあと手術のため入院する。 西尾 茂則(にしお しげのり) 明青野球部の監督,凡庸な人物として描かれている。 監督を長く続けており,10年以上前の卒業生である柏葉兄弟も教え子にあたる。 病気で入院する時,柏葉英一郎を代理監督に推薦するが,手違いで弟の英二郎が赴任してしまう。 退院療養時にそのまちがいに気が付いたが,英二郎の指導を信じて監督をまかせた。 陽当たり良好 親元を離れ,下宿「ひだまり」を管理している叔母のところに居候して明条高校に通うことになった岸本かすみが主人公の青春マンガです。 掲載されたのが「週刊少女コミック」ということですが少年誌に掲載された「ナイン」と物語の雰囲気は差がありません。 あだち充の持ち味である軽妙なウイットと人間関係をていねいに描く小技はこの作品で培われたもののようです。 言ってみればこの作品はあだち充の原点ということができます。 登場人物のプロットもその後の作品,例えば「みゆき」にも引き継がれています。 新しい高校生活を始めたかすみの下宿には美樹本伸(スポーツ万能,女好き,二枚目),有山高志(巨漢,サッカー部のキーパー),相戸誠(度の強いメガネ,根暗),高杉勇作(空手の心得,応援団)という4人の男子学生がおり,下宿生活でも学園生活でも複雑な人間関係のドラマが展開されます。 ナイン 中学時代に陸上の短距離記録保持者であった新見克也が進学校の青秀高校へ入学したときから物語は始まります。 進学校である青秀高校は運動部は弱体にもかかわらず,この年は新見に加えて中学時代に柔道の県大会優勝者の唐沢,全国中学野球の優勝投手の倉橋というスポーツの逸材が入学しています。 新見と唐沢は野球部のマネジャーの中尾百合(青秀野球部監督の娘)に魅かれて,また野球を捨てて鬱屈した高校生活を送っている倉橋をまっとうな高校生活に引き戻すため,そろって野球部に入部します。 「ナイン」は「タッチ」の原型となった物語であり,主人公,二人のヒロイン,野球部の仲間たち,恋敵となる他校のエースという配役となっています。 野球を縦軸にしながら,人間関係にまつわる小さな話を横軸にして物語を織りあげていく構造もタッチに引き継がれています。 ナインはあだち充の原点と位置づけられる作品です。 みゆき ごく平凡な高校生の若松真人は母親と2回死別しています。 父親はずっと海外赴任であり,6年ぶりに帰国し一緒に住むことになった一つ年下の妹のみゆきは2番目の母親の連れ子なので血のつながりがありません。 真人のガールフレンドはクラスメートの鹿島みゆきであり,二人のみゆきの誕生日は同じという設定になっています。 カナダからの帰国子女にあたる若松みゆきは明るくオープンな性格であり,異性からだけでなく同性からも好かれる人気者です。 鹿島みゆきは成績優秀,美人でおしとやかなクラスのアイドルであり,料理・裁縫など女性らしい技術は母親譲りです。 真人のこころは二人のみゆきの間で揺れ動きますが,物語の最終話まで妹思いの兄としてふるまおうとします。 この作品は連載がタッチの1年ほど前から始まっています。 扉絵で分かるように真人の顔はまだ劇画調から脱け出していません。 このあたりが絵柄の転換期になっていたようです。 テレビアニメの前期のエンディングテーマ曲はH2Oの「思い出がいっぱい」です。 これはマンガ作品の最終話で流れていたBGMにちなんでいます。 このエンディングの設定は作品中ではもっともこころに残るものです。 「タッチ」や「ラフ」でも余韻の残るすばらしいシーンで飾られています。

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あだち充の人気おすすめランキング10選【漫画からアニメ化された作品も】

あだち充 傑作

あだち充と言えば『タッチ』や『みゆき』など数々の名作を生み出していますよね。 中でも野球漫画は『タッチ』を代表に彼の作品の中でも大変人気が高く、「あだち充=野球漫画」と思う人も多いかと思います。 私も勿論『タッチ』含め『H2』や『クロスゲーム』、現在放送中の『MIX』といったあだち野球漫画は大好きなのですが、 あだち作品の魅力が最も詰まった最高傑作は、本格水泳漫画である『ラフ』であると断言できます。 『ラフ』とは 『ラフ』は1987年から1989年まで『週刊少年サンデー』にて連載されていました。 時期的には『タッチ』連載終了から約一年後になります。 世間にあだち充の名が広く知られた頃に描かれた期待の作品と言えますね。 あらすじは以下にから引用します。 埼玉県の私立栄泉高校水泳部に所属する大和圭介と二ノ宮亜美。 2人の実家はともに和菓子屋で、祖父の代からライバル同士であった。 最初は仲が良くない2人だったが、様々な出来事を経て、次第に惹かれ合っていく。 亜美が兄のように慕う日本記録保持者の仲西弘樹と、圭介と亜美の三角関係は。 この作品のまず面白いところは、あだち作品にしては珍しく 主人公とヒロインが犬猿の仲だということ。 殆どの作品では基本的に主人公とヒロインは幼馴染で仲が良いというところから始まるのですが、『ラフ』では犬猿の仲である二人が次第に距離を縮めていくその過程を楽しむことができるんですね。 一話ごとの完成度が桁違い 『ラフ』はあまり目立った作品ではありませんが、 あだちファンの中では非常に評価が高く、ベストに選ぶ人も少なくありません。 その理由の一つに 「一話ごとの完成度が非常に高い」ことが挙げられると思います。 『ラフ』は個人競技である水泳を題材にしている故か、一人一人のキャラクターの感情を上手く競技にからめ、また独立させバランスよく描かれています。 野球を題材にするとどうしても登場キャラが多くなり一人一人を丁寧に取り上げることは難しくなりますし、独立させた恋愛だけの話などは時に間延び感が否めなくなってしまいます。 しかし、『ラフ』ではそれを一切感じさせず 競技と恋愛をバランスよく描き単体の話でも違和感なく読ませることに成功しているのです。 例えば「本命の男子」の巻。 冒頭では亜美とその友人が満開の桜の下を通って登校する姿が描かれています。 「好きな人とカップルで歩けたら最高だろうなあ」と言う友人に同意しながら仲良く歩く亜美。 その日部活に行くと顧問の先生が入院しているらしく、男女1名ずつ花束を持ってお見舞いに行くことになりました。 女子の代表は亜美、男子の代表は押し付けられて嫌々ながら引き受けることになった圭介に決まります。 二人で病院に向かい歩いている途中、圭介は病院に行くには遠回りだと気付きます。 しかし亜美はニコニコの笑顔で「ま、いいではないか」と一言返すだけでした。 「好きだ」とか赤面とか一切使わず恋愛描写をここまで上手く表現できるのは正直天才の所業としか言えません。 しかもこれは元々険悪だった二人だったからこそ、互いへの感情に気付き始めながらも言えない微妙な距離感が生きた演出となっており、読者がその距離感にモヤモヤするにも関わらず爽やかにこの話を締めています。 キャラに語らせない手法、独特な間、コマ割りなど、これぞあだち充の技術といったものを全て詰め込んだ素晴らしい回だと思います。 主人公がかっこいい あだち作品の主人公は基本的に才能があり顔もそこそこかっこよく努力も怠らず女の子にもさり気に優しくできるというかっこいい男の子が多いのですが、その中でも特に『ラフ』の圭介はかっこいいのではないのかと思います。 さりげない気遣い 例えば寮の伝統で二人で一日デートしなければならなかった時。 まだ出会ったばかりの二人はお互いに仲が悪く嫌々共に過ごすことになります。 二人で歩いているとたまたま中学生の時の圭介の元カノと出会ってしまいました。 彼女に振られたと言う圭介をからかう亜美。 しかし、亜美がトイレによるとそこには元カノが。 圭介に自分が振ったと言いふらされていると思っている彼女は亜美に言い訳をします。 圭介が彼女を傷つけないために自ら情けない男を演じているとも知らずに。 また、圭介は帰り道どちらが傘を持つかじゃんけんをしようと言う亜美にじゃんけんは苦手だから嫌だと言い張ります。 互いに文句を言いながら帰り道を歩く二人。 その途中、亜美はひよこが売られているのを見つけます。 残金で飲み物を買おうとする圭介に亜美はひよこが欲しいとねだりますが、圭介は頑として譲りません。 しかし残念そうな顔をする亜美に気不味くなった圭介は、じゃんけんで勝負しようと持ちかけます。 当然結果は圭介の負け。 喜んでひよこを買う亜美とさっさと歩いて帰る圭介ですが、そこで亜美は先ほどの圭介の言葉を思い出すのです。 こういうさりげない気遣いができるところがかっこいいんですよね。 必要以上に話さない 圭介を敵対視する小柳香(亜美のライバル)はその美貌から不良グループにつき纏われてしまいます。 そこをたまたま出会った圭介が助け、彼女は彼を見直しました。 しかし学校に戻った圭介は亜美にデパートの水着ショーに行っていたと思われ怒られてしまいます。 それを見た香は亜美に対して顔の傷を気にしたらどうかと怒りました。 しかし圭介はやはり多くを語らず、「水着ショーを見て転んだ」と言うだけでした。 亜美にも香にも気を遣い特に言い訳も弁明もしないところがかっこいいです。 男にもモテる 圭介はすごくいい奴なので男にもモテます。 大会決勝で圭介のライバルになる愛川は、圭介に勝つため手下たちを使い圭介を疲れさせる作戦を取ります。 手下がバイクの故障を装い、圭介に坂道を走らせますが、そんな裏事情を知らない圭介は決勝戦の時間が迫ってるにも関わらず、送ってもらったお礼にと家の和菓子を渡して笑顔でお礼を言います。 いつも罵詈雑言を浴びせられていた手下はそんな圭介の姿に感動し、試合では愛川より圭介を応援するのでした。 圭介は女子に限らず誰に対しても気を遣えるので、男子にも人気があるのです。 距離の縮め方が自然 先述したように圭介と亜美は犬猿の仲から始まります。 物語が進むに連れて次第にその距離が近づくのですが、その距離の縮め方が素晴らしい。 『タッチ』に限らず基本的にあだち作品では誰かの死や何か大きな出来事がきっかけになって二人の距離が縮まるということが多いですが、『ラフ』では取り上げて二人の距離を縮めるような出来事はありません。 ただ共に過ごす時間が増え、 相手を少しずつわかっていくうちに互いに惹かれ合うようになるのです。 その流れがあまりにも自然すぎるのでとてもリアルに、そして愛しく感じられるのです。 圭介と亜美は本当に互いの人間性に惹かれあったのだと思え、だからこそ中々結ばれない二人の想いに切なくなるのですね。 脇役もしっかり描かれている 『ラフ』は個人競技を扱っているため周囲の人間も少なく一人一人のキャラクターをちゃんと掘り下げて描かれているのも良かったです。 特に野球部の緒方の話はこれで一作品描けるのではというレベルで、途中は完全に野球漫画になっていました。 伏線の張り方の上手さ この作品は 何でもない日常回などにかなり多くの伏線が張られており、それがしっかりと回収されるのも非常に評価が高い理由だと思います。 特に最終回につながる伏線。 最終回からはかなり前の回で、圭介が音楽プレイヤーを持っていること、そしてそのプレイヤーの調子が良くないことが描かれます。 これは後ほどにも紹介しますが最終回を彩る演出につながる伏線です。 また、校内マラソンで先生と誰が一位になるか賭けをすることになった亜美が即答で「大和くん」と答えるところ。 これは圭介と、圭介のライバルである仲西弘樹、どちらを選ぶかとなった亜美に、 知り合いのおじいさんが訊いた時の亜美の回答の伏線と言えます。 漫画史上最高の最終回 私は今まで読んだ中で『ラフ』以上の最終回を見たことありません。 この最終回は 漫画史に残ると言っても過言ではないくらい素晴らしいものでした。 先述したように圭介と仲西、どちらかの選択を迫られた亜美。 仲西のことは昔から兄のように慕っており、周囲も皆んな勧めます。 更に仲西には亜美が原因で怪我を負わせてしまったという負い目もあるので、圭介に心が惹かれていてもどうしようもできない状況でした。 しかし,、日本選手権の決勝レースで争うことになる二人を前に、亜美はとうとう決着をつけます。 「勝った方」ではなく「勝ちそうな方」を選んだ亜美は、決勝前に既に答えを出したのです。 しかし、それを二人に告げるシーンは描かれていません。 亜美はただ既に伝えたということだけを読者に示します。 一方、圭介は召集前にお気に入りのプレイヤーで音楽を聴いていましたが、調子が悪かったのか急に止まってしまいます。 それに気付いた仲西は音楽プレイヤーを気遣いながらも、亜美に先程あって話をしたことを圭介に伝えました。 話の内容を聞きたいか尋ねる仲西ですが、圭介は「本当に俺が動揺するようなことなら仲西さんはわざわざそんなこと言わない」と断ります。 そしていよいよ決勝戦。 合図で一斉にスタートします。 しかし、二人が泳ぐ姿は全く描かれません。 代わりにスタート合図の衝撃で再び圭介の音楽プレイヤーが動き出し、 圭介が前日に亜美に音楽を入れといてほしいと頼んだテープから亜美の声が流れます。 亜美の声は何でもない風景を背景に、圭介への想いを伝えたのでした。 この 何とも言えない爽やかな演出と余韻は、独特の間や余白を巧みに使いこなすあだち充にしか描けないでしょう。 圭介と仲西の決着はついに描かれませんでしたが、その答えはもう既に読者は知っているので描く必要はないのです。 描いたらそれは蛇足なのです。 これまでの物語の積み重ねの果てにこのラストを持ってくる力量は見事としか言えないですね。 まとめ かなり熱く語ってしまいましたがいかがでしたでしょうか。 どの作品が良いかは人によってもちろん異なりますが、私は上記のような観点で見ると間違いなくあだち充の最高傑作は『ラフ』であると言えるのではないかと思いました。 そのくらいあの作品は完成されています。 もし共感してくれる方がいてくれたらとても嬉しいです。 ここまでネタバレしといてなんですが、もしまだ読んでいない方はこれを機会に是非読んで頂きたいと思います。 お付き合いいただきありがとうございました。

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